命日すぎて
もしかしたらどこかからでてくるかもしれないけれど。
黒い髪どめが行方不明。
その髪どめ自体はもう要らないもので、いつ買ったんだかわからない昔の物で。
ただ、その髪どめ、捨てずにいたのは、ハナの歯形がついていたから。
ハナが噛んで、小さな穴が3つくらい、ついていたのだ。
とってもかわいい小さな凹み。
長年、その穴を見る為だけに、とっておいた髪どめ。
それが、確かここに入れていたはず、の、袋の中に、ない。
あれ、あれ、って、そこになかったらここかな、のあれこれを見てみたけれど、
ない。
そういえば。
もしかしたら数年前に、おもいきって様々捨てる、をやったときに、ハナの生きてる今ならできる、と思って、処分したのかもしれない、と。
だったら、それでよかった、って、思った。