無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

老女だもの

前に手を切るかなんかして血が出たときに、それを見たヒロコに
あんたの血、薄ーーーー
と言われたことがあって、
ヒロコよ、私の血は肉眼でそんなことを言われるくらい薄いのですか、と思ったのだが、
確かに人の血を見ると、私の血、薄い・・・?っていう印象を持つ。なんかこう、ぱしゃぱしゃしてるっていうか。
気のせいだと思うのだが。


小さな頃、けっこうな貧血で、でもそれを知らなかった。
人間というのは立ち上がると周りが真っ白になってしばらくヨレヨレする生き物なのだと信じていたのだ。
あるていど大きくなって、多くの人はそうでないと知ったとき、本当に驚いた。

その内、やっと何かが体になれたのか、貧血はしばらくおさまっていたのだが、このところもう老女なので、また貧血がぶいぶい言い出してる。


これからまだまだ、やることがたくさんあって、とくに8月は気が遠くなってしまうのだが、まあ、ちょうどよく困るように心がけている。というか、そうしかできない。とりあえずご飯食べて睡眠とって、その上で困ろう、と。老女だもの。

 

生まれてはじめて年寄りになっているから、まだ不慣れ。その転がりぶりに感心する夏。

ハナも、もう老女。
母も「あそこの角の薬局屋さんのガラスに自分の姿が映ると、ああトシだわ〜ってつくづく思うのよ」と。
ウチぁみんな老女だ。
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