無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

特製という名の。

先日、某東北の某ローカル駅におりたち用を済ませ次の電車まで時間があるからどこか休めるところはないかと歩きまわったらファミリーレストランと書かれた看板発見。ひとけが少ない場所なので何でもいいから見つけられて運がよかった、ところでここで商売になるのだろうかなどと思いながらも、即入店、で、規模と気配から、どうやら“ファミリーで経営しているレストラン”であると理解、ふたりの年配の女性に無言で曖昧な笑顔でむかえられ、そんなことは別にどうでもいい、休めれば、などとメニューを開いたら。

特製プリン、と。

へええ、自家製デザートも用意しているとは。や、もしかしてこのあたりの農場のタマゴや牛乳を使ってそこの農場が製造販売している物をここでも出しているのかな、なににしろ頑張っているのだなあ、と愉しくなり、炭焼き珈琲と共に注文、しばらくして出てきたのが

これ

特製、どう見たってプッチン。
ひとくち喰ってもプッチン。


プッチンを、どっちゃりとそれらしく仕立てました、という特製。


もう、見たとたん、ガッツ、よくやった、よく発見した、金鉱発見のような心、狂ったように写真を撮りまくる私を不安げに見つめるファミリー、そんなことはどうでもいい、多分きっと、メインメニューらしくかかげているエビフライ定食えび3本付きっていうのも私のような者の思いもつかないまばゆい仕立て上げに違いない、などと夢見るも、お腹は減ってなくて、時間もないから、のがす。