憧れは素敵キャー
私は自分の叫び声に自信が無い。
とっさに叫んでしまった後、
その叫び声で、
私を叫ばせた悲惨な事件よりもそうだ自分の叫び声はこんなだったのだと忌まわしく再確認してしまうほうが何倍も悲惨なほど、自信が無い。
あまりにも、断末魔がすぎるのだ。
お聞かせできないのが残念で、幸いである。
さっきもまたやった。
パスタを作ったのだ。
ナスとパプリカとチーズのパスタ。
フライパンの中で出来上がって、喜びいっぱいでお皿に移そうとした時、
なんと、湯気にやられたのか、蛾が熱々のパスタの中にダイブしてきやがったのだ。
せっかく作ってちょうど出来上がったパスタに大嫌いな蛾。
叫んだ後、
あ〜ぁ…、
ともらしたのは、
蛾じゃなくて、
自分が理由だった。
自分の叫び声がヤバいのではないかと気にするのは単なる思い込みなんじゃないかと片付けようとしたことがあったが、母から、「あんたの叫び声は本当に恐い」と御墨付きをもらったことがあって、不幸は深まった。
このコンプレックスの昇華として、いつかハナの前で叫んでみたい、というのがある。
私はハナに軽くあしらわれているので、おねえちゃんだってコワい時はコワいんだからね、と、得意の断末ボンバーでちょっと見直されたいな、と。
写真はせめて何かきれいなものをと思って。