無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

さっきのこと

いま、コンビニで買い物したら。レジのおにいさんが、クジをひいてくださいと大きな箱を取り出した。
私は片手つっこみ、適当に即一枚カードを掴み出した。
そしたら、おにいさん、

わ、当たりですね!



まったく期待していなかったし、なにが貰えるのかわからなかったけれど、
おにいさんが、嬉しそうに報告してくれたから、私もなんだか嬉しくなって、



当たりですか!

当たりです!



こんな会話があったりした。

   


お酒が当たった。
おにいさんは、背後に用意された当たり用酒入れの、デカいカゴをゴソゴソしてくれている。

なんだか、しばらくゴソゴソしている。
どうしたのかと思ったら。

すみません、
本当は二種類から選んでいただけるのですが・・・


どうやら、いま、カゴには一種類しかない、と。


こちらで、いいでしょうか?



私、いいのだけれど。
ふと、ちなみにもう一種類が一体なんなのか、気になった。
聞いてみた。そしたら。カードのこまかい説明を凝視したおにいさん、

度数ですね!度数が違うんです。

私) どう違うんですか?

いま私の目の前にあるのは、5%と記されていた。

ええと、・・・8、8ですね!8%なんです、もう一つのは。  
  
どうでもいいと思ったくせに、やっぱり8が欲しくなった。正直、缶チューハイの5なんざ、ききゃしないのだ、こちとら。
 


私) 8、ないですか?



もう一度おにいさんにカゴを確認してもらった。
なかった。

おにいさんは言った。

裏、見てきます!

私) いえ、そんな、お手間だし

いえ、あるかもしれないので!


おにいさん、裏に小走りに消えて行った。
しかし、ちょっと申し訳なさそうに、帰ってきた。



なかったです・・・


私) ありがとう、ごめんなさい、ありがとう




おにいさんに幸あれ。
セブンイレブンに幸あれ。