新刊『49歳、秘湯ひとり旅』もうじき発売です
新刊『49歳、秘湯ひとり旅』が3/19にでます。
ソノラマプラスで掲載された五つの湯(貝掛温泉、姥湯温泉、甲子温泉、杖立温泉、弓ヶ浜温泉)と、描き下ろしの湯(某温泉)の、計六湯で一冊となりました。
一湯目の貝掛温泉編がソノラマプラスでためし読みできますのでご覧ください↓
http://sonorama.asahi.com/series/49.html?book_id=book_id_1578
私はだいたいなんでもひとりです。
美術館や博物館に行って作品をみるのも、
飲食店で味わうのも、
散歩も旅もほぼひとり。
誰かと一緒に行くのも好きですよ、ひとりのときとはちがう楽しさがあります。それはそれとして、行動の基準はひとりなのです。
私にとって、それが普通なのです。
さて私は温泉が大好きです。
温泉宿の大浴場の気配や、源泉が湯舟におちるあの音にときめきます。湯に浸かってひとり身を澄ますのが私のなによりの幸福なひとときであり、養生です。
49歳というなにかと思うこと多い、更年期をむかえて心身の変化も多い、この絶妙な年齢に、敢えて秘湯を選んで旅に出ました。
秘湯と秘湯でない温泉と、なにが気持ちの上で違うのか。私個人としては、秘湯は、よりじっと自分をしずかにみられるような、そんな思いがしました。
お湯のなかで気持ちよくぼうっとするひとときと、自分の気持ちの中に入っていろいろ感じ出すひとときと、湯の中でのひとときは大きく分けてふたつあります(私は。両方幸せです)、秘湯は特に後者のそれがよくはかどるイメージがありました。じっとみる、その目が、開きやすいような。
この本のカバー絵は、それを表しています。
表カバーは秘湯のお湯に気持ちよく浸かって満喫している私の姿、裏側はふと心の奥に入り込んでなにかみている私の姿。
いま私は50歳です。ふりかえると49歳は思う以上に変化(発見)がありました、なかなかにおどろく一年でした。人って変わるんですね。“変わった”には、“戻った”、“やめた”、なども含まれますが。
そんな変わりゆくときを秘湯で過ごし、旅先を楽しみ心身の養生をしているエッセイ漫画、ぜひお読みください。
ひとつだけ、お願いが。
いままでの私の本は、どこから読んでも別段よかったのですが、この本は、ぜひ最初から順に読んで欲しいのです。そのつもりで描き進めました。
いきなり描き下ろしから読んだりは控えて、一湯目から順にぜひ。
よろしくお願いいたします。