無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

『かけ湯くん』単行本、9/26発売です。

温泉の旅を漫画にした『かけ湯くん』が発売になります。
ネコのかけ湯くんが日本全国あちこちの湯に浸かり、そしてその界隈を楽しんでいます。

かけ湯くんは月刊誌「旅の手帖」で今も連載中です。


始まりは、私が温泉旅が好きだ、というのを“まるで知らないで”当時旅の手帖の編集だった、かのH岩氏(散歩の達人編集部→旅の手帖編集部に移動)が、私に温泉漫画を描くように依頼してくれたことからです、かけ湯くん、というタイトルで描きましょう、と。

H岩氏は知らなかったのですよ、私が昔から温泉好きなのを。
なのに、描くように注文をした。
そのへんが、あの方のぞっとするような素晴らしさと感じます。

タイトルがとっても気に入りました、いいねえ、かけ湯くん。

何回くらい描くの?と聞いたら、5〜6回くらいじゃないかな、でもずっと続いて連載になるといいね、と言ってくれました。

そうは言ってもらえても、まあ、期待せず、半年くらいの間楽しくやろうと、ただそう思いました。

あっという間に半年が過ぎ、1年が過ぎ。2年が過ぎ。

H岩氏が旅の手帖から離れ、Y口氏に担当者がかわり、月日は流れ。

まさか、まさか、
9年も続くとは。
わからないものです。


かけ湯くん、あちこちの湯のこと描いてますが、北海道の湯はありません。
私の閉所恐怖症が再発してしまったので(飛行機とトンネルがダメ)、北海道には行けなくて、ネタ、ないんです。
四国ネタは1つありますが、温泉は出てきません。

主に本州と、九州ちょっと、この本におけるかけ湯くんの旅範囲はそんなふうです。

どうぞお読みください。
自分で堂々言いますが、いい本だなあと思います。 


最後に。これは読者さんにはいらない話なんでしょうけれど。
私の、かけ湯くんを単行本化するなら、是非是非こんなふうにしたい、という夢や希望を受け止めてくださり、心意気で対応してくださった、旅の手帖の版元交通新聞社と、単行本の版元河出書房新社に、本当に本当に感謝しています。かけ湯くんを出させてくれてありがとう。

みなさん、両社の本や雑誌、いろいろ読んでくださいね。
いいのいっぱいあります。


旅する温泉漫画『かけ湯くん』9/26発売です。オールカラーです。
よろしくお願いいたします。