無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

どうでもいいこと

小学校時代の、忘れ去っていた同級生が夢に出てきた。あんまり口をきいたこともない子だったけど、見覚えは確かにある。驚いた顔で英子ちゃんフケたね言われた。そりゃ48だものって応えた。彼は小学生の顔のまんまだった。


目が覚めて。


時間が経つば経つほどわからなくなっていく。
あの彼は、実在したのか?
とっても懐かしいけれど、あんな子クラスにいたっけ?
学校外でちょっと知り合って、夢の中で同級生として処理されているとか?


名前を思い出そうとすると、名字の最初の字が、イメージ的に「灰色」とか「影」とか、そういうダーク寄りの意味合いを持つ、というのが浮かぶ。
そしたら、ほかの忘れ去っていた同級生にかげやま君という子がいたのを思い出した、彼を思い出したのは36年ぶりくらいになるけれど、かげやま君は確かにいた、断言できる、間違いなく実在の人物だ。
そこで思った。
やはり、今朝夢に出てきた、実在に自信のないあの彼は、同級生ではないのかもしれない、と。


夜になったら顔の雰囲気さえ消えてきた。
小柄なことだけ、覚えてる。


伊豆山神社の手水の龍たち