無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

謎のあの店3巻のこと

『謎のあの店』最終巻の3巻、12月7日に発売です。

3巻も謎の、店や場所、行いに、じりっと寄っていき、ついにそのただなかに身をおいて、なにやら感じ入っております。
例えば・・・

⚫それはそれは長い年月気になり続けた果てに、ついに、お寺で受けるに至った“ぢのまじない”前後編

姨捨姨捨に行ったことありますか。なんだか激しく気になりませんか姨捨姨捨が心にひっかかってしょうがないのは、それは私やあなただけでなく、いにしえからみんなそうだった、って知ってますか

⚫いつもなぜかシャッターの閉まっている、しかし休業している気配のない惣菜屋のその謎が判明

⚫花見酒、月見酒、雪見酒。〜見酒はどれも素晴らしいけれど、新たに素敵な〜見酒が加わりました。なんてことでしょう

⚫私は子供の頃から親しみ深かった“富士塚”。富士塚、登ったことはありますか

⚫銭湯の壁画がきっかけで憧れた、かの地。その当時は実在するのかどうなのかも謎だったかの地。不思議な気持ちのまま、ついに訪ねてみたのです

⚫秋田―青森の沿岸を走る五能線五能線にも乗ってみたかったし、五能線に乗れば行けるあそこが気になっていたし。ついに念願かなって前後編


・・・などなど、全20話です。

この連載9年やってました。


ちょうど、猫居酒屋(に行く話があります)に行った帰りだかに、3巻で終了を考えているのですが、ということを担当のHさんに伝えたのでした。
残り、アレとアレとあとアレらも描きたい、うん、ちょうど3巻でうまく収まるくらいなんじゃないかな、と。
「最後ですし、普段だと難しい取材も頑張ってみましょうか」と言って貰えて五能線に乗せてもらえるとは、その時はまだ知らなかったけれど。

早目に計画ができたので、とってもいい感じで着地できたような、そんな心地です。
どれも描けて、本当によかった。
長年なぜか胸の内で気になってとどまり続けていた様々が、こうやって外に出てかたちになっていくんだなあって、描くときはいつも感慨深いのです。

最終巻の3巻、お読みいただけたら幸いです。