無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

温泉津

昨年春に旅の手帖のかけ湯くんで島根県の温泉津(ゆのつ)温泉に行った。念願の温泉津旅だった。


今年正月。いただいたお年賀状に、温泉津で宿泊した山県屋さんからの一枚があった。そのときは、いち宿泊者にくださったものと思って、ありがたくハガキうらにあった幻の古道の写真を眺めたりしていたのだが。


旅手編集部から、正月明け、写メが。
そこには、かけ湯くんずっと読んでます、と記された、山県屋さんからの別のお年賀状が写されていた。


すかさず編集部に返信、
山県屋さんにはかけ湯くんでコチラに伺いました、と、告白してなかったので(ほぼ、取材は相手お宿になにも言わないでやっている)、もしかしたら、編集部がなにか記事の内容確認の連絡(?)でもしたのかな、などと思って。


そうではなかった。
編集部からは、なにも連絡してない、と。


もともと読んでいてくださったのか、
たまたま、発見してくださったのか。


温泉津、3号にわたって描いた。
あまりに楽しかった、温泉津は素晴らしかった。
山県屋さんの、私のお部屋のお世話をしてくださった係の若い女性のことまで(その方のいいお話きいたので)描いてしまった。


わざわざお年賀状くださったのだから、きっと、旅の手帖を読んでよろこんでくださったのかな、と思って、嬉しかった。


また温泉津いきたいなあ。
温泉津欲。



写真は温泉津の共同浴場。山県屋さんの真横にあります。