無償の悪

松本英子。漫画、イラスト業。

終りよければすべて良し

昨日、取材の宿泊先にチェックインのち、いそいそ酒探しへ。

食べたばかりなので、おなかはいっぱい、ならば部屋で静かに呑むか、と、地元及び近県の地酒希望で。

浮かれて軽やかに駅ビル地下に舞い込んで、愕然。
無いんだ。
無いんだよ酒売り場が。

そんなはずはないと、半狂乱であちこち巡れど酒売り場見つからず。ええ!?

地方都市らしく土産屋さんの酒売り場はなんとなくあっても、私の飲みたいのはそんなんじゃない、キチンと冷えて温度管理された、来た甲斐のある酒なのだ。

無い。

ウソみたいだけど、ホントに無い。歩きまわれば酒屋が見つかるだろうけど、雨が降ってきちゃってはやくホテルに帰りたい。


しかたなかった。
コンビニにすごすご入った。
信じられなかった。なんでこんな目に。


ビール1(350ml)、ワイン1(375ml)、日本酒1(200ml)、購入。明日朝、のんびりしてられないので、控えてせいぜいこんくらいだ。
屈辱だった。
なにかと運のよい私の、くじかれた気分は相当だった。
いままで、どこに行っても飲み屋には当たり、酒の神様に溺愛されている、というのが私だったのに。酒売り場で挫折するとは。
さすがやっぱり先祖は造り酒屋、が誇らしかったのに。
なにこれ。



今日。帰りの、辿り着いた郡山駅
みどりの窓口に新幹線のチケットを求めに行く私の足が止まった。
さすが大きい郡山駅、販売も充実している。土産の酒売り場に、ああ、“有料きき酒コーナー”の文字が!
あああ。


瞬間、乗る予定の新幹線、1本後に決定、みどりの窓口のおねえさんは賢く可愛く、テキパキ手配、約30分の猶予が私に。

足早に向かうはさっきのきき酒コーナー、はう〜、福島万歳。

500円で、4種の地酒+ちょっとした味噌づけ。幸せ幸せ。

2回くらい飲もうと思ったら、“お一人様一回かぎり”の文字が。なんだよ〜大事なことは早く言ってよ〜。
まぁいい。猪苗代地ビールもあるっていうからその分それを飲むことに。


地酒、おいしかった。気に入って、4種の内の一つ、稲川を買うことに決め。
おねえさんに告げたら、これの辛口もある、との情報。そっちに。ありがとうおねえさん。

つまみに出てきたウドの味噌づけ、福島モノのドレッシング、福島モノのイチヂクのジャム、あと福島のにごり酒(新幹線用に)を購入し、フクフクと、Maxやまびこに乗車。

車内ですき焼き弁当買って、ああ、栄川のにごり酒

あっちの席のオヤジが栄川を羨ましそうに見てる。でしょう。オヤジの飲んでるのはどこにでもあるアサヒのビール。

でしょう!!


アサヒのドライ、うまいときはうまいからね。でも、今は、私がいいでしょう!


帰ったら待つのはドトウのデスクワーク、でも一旦寝なきゃなんにもできないから、新幹線内、飲んでも大丈夫。


近づく上野、もう栄川は飲み終えた。
つぎに車内販売のおねえさんが来たら、プリーズ、もういいや、アサヒのドライ。